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莇ヶ岳メモ 莇ヶ岳は標高1004.2m(国土地理院)で西中国山地の南端になる。 山頂には祠があるが「西中国山地 桑原良敏氏」によると、この祠は昭和十二年、地元の田中吉五郎氏が、四国石鎚山神社の分霊を安置したものだという。特に昔から石鎚信仰のあった山でもないのかも知れない。 しかし、莇ヶ岳を経由し弟見山、佛峠へ降り三ケ峰、高岳山、法師山と山の道があったのは確かだろう。また鈴の大谷山に有ったという伝法寺、修行僧も修行の場にしたに違いないし、法師山の地名も気になる。 また、吉賀の古書「吉賀記」による記述を見ると、椛谷村のところで出てくる「白井愛宕社 アサミカタケ(朝見ヶ岳?)奥の院へ一里半則吉賀七社に属支」とある。この一里半は弟見山に続く稜線を経由し、莇ヶ岳までの距離にほぼ一致する。 他に「修験 椛谷白井
寶壽院」の記述も気になる。
また、桑原氏の言う地名考で朝日のあたる山の意味で、「朝日ヶ岳」又は「朝見ヶ岳」から変化したのかも知れないと言う記述。鹿野から見ると北に位置する莇ヶ岳、朝日を受けて黄金に輝く姿は、山頂から見える鹿野の町からも想像できる。 莇ヶ岳は別名「兄見山」とも言われ「猟に出かけた兄弟、離ればなれになり、兄は弟見山から弟を捜し、弟は莇ヶ岳から兄を捜した」と言う話も伝わっているが、これは誤りで、先の桑原氏の説では兄見山は莇ヶ岳の北北西2.7kmにあり、三州(石州・防州・長州)の境界の場所だと指摘されている通りだろう。
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以下のは2012年11月4日、「エコビレッジかきのきむら」主催のトレッキングに参加した記録です。
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集合場所は中河内地区にある自治会館広場、集合時間は07:30。 肌寒い外気の中、時間前になると次々と車が乗り入れられてくる。 簡単な挨拶の後県道3号線に待機したマイクロバスに乗り込む。
小峰峠の登山口は10kmほど先、車窓には紅葉した景色が広がる。 途中の車内では案内役の田中幾太郎さんが今回のコース、注意事項などをユーモアたっぷりに田中節で説明がはじまる。 今年の紅葉は少し遅く、今が見頃のようだ。椛谷ダム周辺の紅葉はひときわだつ。黒渕地区を過ぎ中条(ちゅうじょう)地区に入ると、田んぼに霜が降りている。寒いはずだ。 08:00今回の縦走する登山口の小峰峠に到着。ここから莇ヶ岳までは約4kmの距離、アップダウンのあるコースの始まり。
個人的にはこのコースは今回で3度目になる。 余談になるが、この小峰峠付近を最後に1957年7月に開通し、新南陽日原線(現在県道3号線)として柿木村と徳山を結ぶ重要な交通路になり、その後一時期はバスも通っていた。 |
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バスから降り荷物を背負い峠に集合、各自柔軟体操をし体をほぐす
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開通当時の県界石柱 左島根県、右山口県の文字が読める
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県境の稜線を莇ヶ岳目指して出発、進行方向左が山口県、右は島根県
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今回の参加者は28名+ワン!(僕プーちゃん)
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見上げるとこのあたりに多いクスノキ科のシロモジの黄葉
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新芽は山菜として親しまれているコシアブラの黄葉
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稜線の境界柱、「カノ村有」の文字 旧鹿野町の所有を表示
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対照的な人工林と自然林、アップダウンを繰り返す
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開けてきた展望、中央は石ヶ岳(山口県)まで10kmの距離
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莇ヶ岳の近影、と言っても距離はまだ800mもある
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稜線のブナ、板根が発達しているのは風が強いからかも知れない?
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見上げるとウリハダカエデの紅葉(例年はもう少し深紅)
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休憩中の解説、手前のブナには熊の爪痕!!
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ルート上一番の急登、山頂はすぐそこなのに!プーチャンも苦戦
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11:10、山頂到着。皆さん達成感いっぱい
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山頂で見付けたブナの実
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このあと昼食。空腹につき食事中の画像はありません、想像して下さい。 昼食後は展望を楽しむ人、話のはずむもの、山頂直下の鎖場に挑戦した人もいたようで、それぞれ限られた時間を楽しむ。 |
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近年、隣町阿東町のグループと合流して行っている交歓会。下山前には恒例の詩、「♪♪うさぎ追いし♪かの山♪小ブナ釣りし♪かの川♪♪」を合唱して下山する。
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下山中に木立越しに見た左手側(島根県側)は右ケ谷、キャンプ場から2kmばかり入ったあたり、ブナ、ミズナラの巨木をはじめカエデ類、トチノキ、ミズメ、ケヤキなどの原生の森が広がる貴重な場所でもある。 阿東町のグループとは途中の周回コースの分岐で分かれる。
「また逢いましょう」「ご安全に・」の言葉で別れる。
(周回コースは駐車場から山頂、ブナの稜線を通り駐車場に戻るコース) |
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小豆色の光沢のある実を付けているのはツルリンドウ、左上のまるでティラノサウルスの足跡のような黄葉した落葉はシロモジの葉、シロモジはこのあたりではよく見られる。この道は四季折々の野草が楽しめる(イワカガミ、ショウジョウバカマ、チゴユリ、ササユリ他)。 |
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小峰峠に降りたのは何時だっただろう。バスで椛谷自治会館広場に到着、ここで解散式、莇ヶ岳の方向(南東)を向いて莇ヶ岳賛歌を歌う。
「♪♪莇(あざみ)のお山よごきげんよろしゅう♪また来る時にも笑っておくれ♪♪」 「また逢いましょう」の言葉を交わし 解散! |
この莇ヶ岳のコースは周南市の山の会の努力により整備されたと聞きます。十数年前このコースから莇ヶ岳の山頂を目指したことがあったのですが、当時は笹に覆われ断念した記憶があります。相当な努力で整備されたのでしょう。 改めて感謝する次第です。 |
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