柿木の方言あれこれ
これは旧柿木村の「楽笑いきいきクラブ」の皆様が、古き良き文化や歴史を語り継ごうと平成15年に発刊された「ことづて」、それを元にその中から方言についての一部を紹介するものです。
方言 共通語(状態など) 使い方
あーぬいとる よそ見をしている・上を見ている あーぬいとらんと仕事をせぇ
あねーな・あんとーな あんな事 あねーな事をしちゃぁいけんわぁーや
あずる 苦しむ なんと胃が痛うてあずっとった
あやぁーさやぁー まとまりの無い事 一日中(いちんちじゅう)あやぁーさやぁーっしとった
いぶしこぶし 凸凹の意味 いぶしこぶしになっとるけぇ、削りにくぅてやれん
いらびる 乾燥する 天気がええけぇ、よういらびる
うたてい 汚い そがぁなうたてい事をするなぃや
うわいき 極度な疲労がたたった状態 暑いのに無理をしたけぇうわいきをした
えごうかごう 曲がりくねっている なんと、えごうかごうした道じゃのう
おおてやか 穏やかな 明日も今日のようなおおてやかな日和ならええがのう
おごる・おごめる 増える 雨がふるけぇ、川の水がだんだんおごりよる
恐らかす 脅す そがぁなおといしい事を言うておそらかすなやぁ
おといしい 恐ろしい
おまいしゅう おまえ・あんた おまいしゅうはどねぇ(どう)するかい?
かっつら・かたつら 片方 重たぁけぇかたつら提(さ)げぇやぁ
かばち 口答え そがぁにかばちゅうたれんな
ぎぎゅう アカザ(川魚の名前) ぎぎゅうをにぎっつらぁ棘があるけぇ刺されるで・・
きやいがわりい 不安で心配なこと おかしげな電話がよう掛かってくるけぇ、わしゃぁきやいがわりー
くらがす たたく・なぐる 親にかばちゅうたれるけぇくらがされるろうや
けだる 足りて満足する おおごっつそう(ご馳走)じゃったけぇけだった。(反語はけだらん)
ごーがすく 腹が立つ あいつの言うこのを聞いとりゃぁごーがすくでよう
こねーな・こがぁーな こんな こがぁーな物をくれたがわしゃぁ食わん
ごつ(に)・(な) 非常に・大変な ごつな事故じゃったげな、おといしいこと
ごんごんじい お化け(幼児語) 夜はごんごんじいがでるけぇえ、外にでちゃぁいけん
こんちゅう このあいだ・この前 こんちゅうはええ物をありがとう
さくなぁ 粘りがない・もろい さくなぁ木じゃけぇ折れる
さんごうする 探す 戸棚をさんごうして菓子を見つけた
しゃんしゃん 早く しゃんしゃん支度をせにゃぁ学校に遅れる
じょうに たくさん・多く あの淵にゃぁ鮎がじょうにおった
じんがぁなぁ 切りがない・ひっきりなし じんがぁなぁ酒を飲む
しんきな 手持ちぶさた・退屈な することがなぁけぇしんきなのう
ずいたれ 食い意地のはっていること また食いよる!ずいたれじゃのう
すたち歩く 歩き回る・遊び回る 山・川をすたち歩かんと勉強せぇ
せんなぁ 面倒な・つらい・苦しい せんなぁ仕事させる
それべくそうろう それっきり あいつぁそれべくそうろう来んようになった
そんとぉーに そんなに そんとぉーにもろうても食いきれん
たいがたぁ はずかしい 服が破れとってたいがたぁことじゃった
つばえる 騒ぐ・ふざける 子供がつばえるけぇうるさぁ
どべ ビリ 足が遅いけぇ運動会じゃぁいつもっどべんなる
どんびき ひきがえる どんびきが苗代を荒らすけぇやれん
ながまる 横になる ながまるんなら隅に行け、邪魔んなる
ぬんだ 延びた・延期 雨で村民体育大会はぬんだげな
ねつい 丁寧な あの大工はねつい仕事をする
ねんばり めだか・稚魚 ねんばりを飲んだら泳げるようになるんとー
ひとようさ 一晩 遅うなりゃぁひとようさ泊まって帰るけぇのう
ひゃこる ヒョイと言うような呼び声 あそこに誰やらおる、ちょいとひゃこってみい
ぶえん 塩漬けでない・鮮魚など ぶえんでゃ、塩サバじゃぁなぁで(ぜ)刺身にできそう
ふやぐ・ふやぁだ 水気が無くなる・乾く  田がジルかったが天気でふやぁだ
へそくされ 意気地なし・弱虫 あいつぁへそくされじゃけぇようせんじゃろう
ほごをふる 家を出る・機嫌悪くする あそこの嫁さんはほごをふって実家に帰ったんとー
まどう 弁償する めげたらまどうてくれぇよ
めぐ・めげる 壊す・壊れる めげるようなことをしちゃぁいけん
もとうらん 役に立たない・はかどらない もとうらんことをする・仕事がもとうらん
らっしゃぁなぁ 汚い・始末の悪い なんとらっしゃぁなぁ事をして
わて 山側 もちいーとわてのほうに寄せてみー
 方言を文字で表すことは難しい、アクセント、イントネーションなど文字だけでは表現できません。ラジオそしてテレビの普及とともに、方言はどんどん忘れられていくのでしょうか。街で働いている子供たち、帰省した時にはこの地の言葉で話す。親としてはなぜかホットします。