法師山(905.8m)へのルート

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法師山(905.8m)、名前の由来は「柿木村誌」などにその記述はなくはっきりしない。おそらく阿東町または津和野町側に名前の由来があるのだろう。山頂、柿木側はヒノキの造林地で、山口県側は雑木、展望は利かない。この山の記憶は大きなウリハダカエデが多く、その真紅の紅葉が印象に残っている。

柿木村側からはその山頂を見られる場所はなく、なじみは薄いと言える。国道9号線を阿東町徳佐から津和野に向かうと、高岳山から続く稜線はこの法師山山頂から急に下降して行く鞍部となり、青野山へと続く。また稜線と法師山山頂付近から野坂山降りる尾根は、島根県と山口県の県境でもある。近年この山頂に立とうと挑戦する人は結構いるようであるが、9号線から見える姿に誘われるのだろうか。

この山、柿木側は国有林であり古くから利用されていたようで、私の知る限りでも松、スギ、ヒノキの造林地だった。津和野藩の時代椛谷方面への往還道もあり、人の行き来は多かったようで、そのために早くから利用されていたのだろう。
また、このあたり良質な木材を産出し、特に赤松は全国にその名を知られていたと聞く。(馬角)

この法師山山頂への柿木側からのルートについて、知る限りを記してみる。もちろん、ちゃんとした登山道などあるわけもなく、当然ヤブコギは避けられない。
柿木村をほぼ南北に縦断する県道3号線(右上図)、柿木から7kmばかり周南市方向に行くと椛谷地区に入る。
ここに法師山、高岳山から流れ出る繁山谷川があり、その川にかかる椛谷橋を渡り右折して林道に入る(P1)。

4kmばかり入り谷を渡ると道は左右に分かれる。法師山方向は右折、左折すると高岳山方向へ向かう(P2)。
400mほど進むと谷を渡る場所で大きくターンするが、その場所が作業道跡(左上図)の起点になる(P3)。

作業道跡ルート 図上緑の線
ルートとしては上の図のように緑色のルート、これは赤で表示の林道から入ったかつての作業道跡で、このルートが一番手軽ではないかと思う。いまでもはっきりした作業道跡をたどれば容易にかつての作業道跡まで到達できる。
かつてここに木材の集積場があり、ここからトラックで運び出されていたのだ。さらにここまでの集材もも地形の都合で架線による集材が困難で、そのためブルドーザーにより牽引集材されたのでだ。そのための道がありそれはちょうど法師山山頂直下まで続いている。地図上の峠の位置はかつての往還道の峠でもあり、この場所までブルでつけられた道が造林地の中に残る。この跡を見つけ峠に向かう。峠から直登すれば、山頂の三角点に達することができる。樹齢30年ほどの造林地の中で意外と歩きやすい。

往還ルート 図上青い線のルート
 このルートは数年前、津和野・椛谷の往還を探して歩く途中に登ったルートでもある。椛谷より繁山谷川沿いに上ってきた往還は尾根へのジグザグの道になる。林道を横切るその古道を登って行くとほぼ尾根伝いに法師山に向かうもので、その登山口は「作業道跡ルート」の登山口から200mばかり進んだ所にある(P4)。主にヒノキの造林地の中でそれほど濃いヤブではなかった。往還道峠からは山頂めざし直登する。

林道終点ルート ピンクのルート
 このルートは本などでも紹介されているものがあるが、現在はヤブが濃く、またわかりづらいかも知れない。
上の図の赤い色の林道を終点まで行く(P5)、崩土などで終点まで到達できないかもしれないが、終点は木材の集積場跡でもあり、朽ちた木材が散乱しており歩きにくい。小さな小谷は福川川の源流でもあり、これを渡ると尾根に向かう細い山道があるが、ヤブに埋もれているかもしれない。尾根に着くと山頂方向へ進み、一度谷に下り上ると三角点に到達できる。
このルートも3度登ったことがあるが、その度にヤブが濃くなる。ここもスギ・ヒノキの造林地だがまだ小さく、樹林下はヤブが濃い。


その他のルート
 その他のルートとして柿木村福川地区から津和野に向かう大規模林道の唐人屋トンネルから上るルート、また阿東町の願成就温泉から尾根伝いに登るなどのルートがあるがこれらからは私は登った事はないが、いずれもヤブは濃い。