我が家で見つけた古い民具・農具・他
倉庫を整理しているといろんな物が出てくる。使っていたのを見たことがある物など特に懐かしい。我が家は代々の農家でほんの数世代前に使っていた民具・農具など、倉庫の中から引っ張り出しカメラに納めてみた。 小さな物はまだ数知れず、いかに「物を捨てきれない家系」かを思い知らされた。
名前については当地で言われていた呼び方で記載しています。
「ミノ、わらじ、ヘラノキの樹皮」ミノはコーラ(ミヤマカンスゲ)とワラ、ヘラ皮で作られてている。納屋の二階につり下げられている。 170×62pの松板、紙漉で紙の「天日乾燥板」と思われるが、紙漉の時代は終わり、記憶では布の糊付け乾燥に使っていた。
「カマス」、米俵に変わり昭和40年代まで米袋(60kg)として使われていた。 「斤量(キンリョウ)、米、炭などを計量していた。分銅は20貫用と8貫用
コウゾ、ミツマタの皮の「黒皮を削ぐ道具」、刃の上側に木製のにぎりがあった。この剥ぐ作業を「そぐる」と言っていた。
牛への「装着具とスキ」。すき焼きの語源はスキの刃の部分で焼いてたべたことによるのだとか。
「千歯(センバ)」、稲の脱穀に使用、間隔の広い方は何を脱穀したのか不明。近年まで種子の採取には使用していた。 「ノコ、斧、押し切りの刃」、中央のノコは改良歯と言われていた。幅の広い板製材用のノコは行方不明。
かなり古い「万石」(玄米と籾を選別する道具)と思われる。 「スゴ」、炭俵になる。カヤと稲ワラで編んである。
「ハンギリ」、おそらく脱穀した籾などを入れた容器、直径78pあり子供の頃川に持って行き船代わりに乗って遊んだ。
「いらない」と言ったのに・・父が作ってくれた「ニコ」、荷崩れした稲束を背負い腰を痛めた記憶がよみがえる。
90×130×180pミツマタ、コウゾを蒸す容器で杉板製。蒸し上がると上蓋はやぐらにロープをかけ片方を引き上げた。(右側面が上蓋) 竈を築きこれで水を沸騰させ、ミツマタ、コウゾを蒸した(直径87センチ)。この上に左画像の蒸し器をのせる。(昭和30年前後)
ダイガラ」、米などを籾との分離、精米、精麦に使用、キネは他に保管。「空(から)うすをつくな」と怒られていた。
「ムシロ打ち」、縦縄を張り上の2本の横木の間にくさびを打ち縦縄を張る。稲ワラを交互に通し、締めながら編んでいく。
「機械センバ」、覆いをかぶせ稲、麦、豆、そばなどの脱穀を行った。脱穀だけでその後箕、唐箕で選別される。 脱穀、籾摺、精米、粉ひき、ワラ切りに使用された「発動機」、壊れ軒下で風雨にさらされていたのを分解、修理、再生したもの(昭和20年代に購入)。
「トウミ」我が家の古いトウミは解体、それより新しい廃品をもらったもので、穀物の選別に時々使用している。 鉄鍋と茶釜、自在鉤を使いいろりの火に掛けられたのだろう。
現役の「火消し壷」、今はバーベキューの残り火が入れられる。

豆腐、きな粉、はったい粉作りに使用した「石臼」。きな粉作りに使用予定。
製麺機、ローラーで帯状にしそれを再度かけて右側のローラーカッターで細い麺する。

ブリキ製の湯たんぽ(昭和50年代まで使用)

「味噌、醤油、漬け物用の桶」、大小合わせて6〜7個、じゃまである。
蒸すつくの餅つき器が入るまで使用していた「石臼」餅は年間を通じてつかれていた。
「つづら箱」と言って、衣類が入っていた。
「ヤナギゴウリ」、今で言う衣装ケース。
おそらく鉛を溶かし直径11mmの玉を作る道具、鉄砲の弾か鮎漁のおもり用かは不明。 「火鉢」、ゴトクがありヤカンがかけられ、暖房用に使用。
なぜか津和野の従兄弟にもらった、津和野城の棟瓦という。
「ウンスケ」、自家製の醤油(18リットル)が入れられていた。今は庭先でオブジェ?として活躍。
「石油(灯油)ランプ」、ハワイに移住した祖父が送ったものでアメリカ製、現在でも非常用に使用可能な状態で保存している。 「ハガマ」、現在でもタケノコ茹で、こんにゃく作りに時々庭先で使用している。

「カンテラ」、カーバイトと水をいれアセチレンガスに点火、懐中電灯が普及するまではよく使われた。 「ネコごたつ」、小さなこたつやぐらの中に入れ就寝時の暖房に使われていた。上蓋は二重になっていて高温にならない。(ネコより暖かい)
 よくもまぁガラクタを持っているものだと我ながら関心する。骨董価値があるわけでもないが、今のところ何とか置けているので捨てる気はない。また幼い頃使った物、見た物もなつかしく、当時の様子、思い出が脳裏に浮かぶ。これらは何処の家にもあった品で珍しい物ではない。普通の生活の中で使用してきた物が殆どだからだろう。
 他に小物類、陶器類も多い。田舎ではそれぞれの家で、あるいは隣近所で出し合い、冠婚葬祭時に対応したためなのだろう。
 これらすべて、捨てきれない性格のためやむなく置いてある、といったほうが正しいかもしれない。