ミツバチが人間に助けを求める?
このページは過去の体験から感じたことを書いたものです。画像は本文と直接関係ありません。 

 
「ミツバチが人間に助けを求めてくる」と言うと、ほとんどの人はニヤッと笑う。確かにはっきりとはわからないが、私が経験して感じたことを記してみる。
 祖父はミツバチを飼っていた。庭や軒下にはいくつもの巣洞が置いてあり、ミツバチが飛び交っていた。
 祖父は秋、近所の畑で作業しているとき「また、アカンドウ(スズメバチ)が来たちゅう(言う)ぜ!」と言って帰り、羽子板状の板でスズメバチを叩いて落としていた。5〜6匹のスズメバチを退治するとしばらくはいなくなるが、しばらくするとまたスズメバチはミツバチを襲いに来る。

 何故わかるのかと祖父に聞くと、「ミツバチが知らせに来る」というのだ。当時の私にはそんなことを言われてもすぐには信じられなかった。

杉の丸太をチェンソーでくり抜いた巣洞、昔ながらの方法にこだわり飼育している
 ニホンミツバチの分蜂(ぶんぽう)群、巣洞を出た群れは一時近くの木などに集まり休む。

 祖父は94歳で亡くなったが、残された4〜5個の洞は21歳の私が管理を引き継いだ。父はミツバチ好きでが無かったからだ。
定期的に薄い小石で浮かせた洞の隙間から、ミツバチの糞などをかきだし掃除をする。5月になると巣洞の中のミツバチが増え分れる(分蜂)。それは庭木や建物、また川を越え対岸の樹木などに一時的に集まる(つく)。これを稲ワラで作ったウッポウと呼ぶ容器に誘い込み、これを家に持ち帰り空いた洞の上側にのせる。そんな事を、祖父のやっていたことを思い出しながらそれを守っていた。
←画像は分蜂した蜜蜂を捕獲し新しい洞に入れた後、あるいは「待ち洞」といい、カラの洞を山などに設置し、自然のミツバチが入って巣を作り始めた頃の内部の様子。上部から蜜を溜め、子育てをして巣を下側に増やしていく。
新しく洞に入った蜜蜂も、次の日からは花を求めて飛び出し、足に花粉を付けて戻ってくるのが見られるようになる。
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秋のある時、家の近くで作業しているときに、ミツバチがやたらつきまとうのだ。ミツバチが攻撃してくるのとは明らかに違う行動、顔のまわりをしつこく飛び回るのだ。その時、祖父の言っていた、ミツバチが知らせに来ると言うミツバチの行動を思いだした。
もしかしたらこれが助けを求めているのかも知れない」そう思い、ミツバチの巣洞を見に帰った。
案の定スズメバチがミツバチを攻撃中だった。咬み殺されるもの、抱きかかえスズメバチの巣に持ち帰るもの、また巣洞の中にはいっていくものなど。ミツバチも必死で抵抗しているが、咬み殺されたものも多い。すぐに竹ホウキを持ってきてスズメバチをたたき落とす。格闘しているとやがてスズメバチはいなくなる。10匹近いスズメバチが転がっている。

 スズメバチの巣にいるスズメバチは攻撃してくるが、この場合スズメバチが攻撃してくることはほとんど無い。

 その場を離れるていると「また助けを求めて知らせに来る」。それを何度もくり返すが、スズメバチは数も多いくキリがない。

これらの事から私には「ミツバチが助けを求めて知らせに来る」そうとしか思えない


 これは私の勝手な思いこみかも知れません。しかし、ミツバチに限らず軒下で子育てをするツバメも、ヘビに巣を襲われるとき、仲間を呼び集める以外に、人間にも同じように知らせようとしていると感じるのは私だけでしょうか? 
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← 巣に進入しようとする一匹のスズメバチを、大勢のミツバチが群がり蜂球(ホウキュウ)をつくる。蜂球の中で数十分熱を発生させてスズメバチを殺す。その温度は48℃にもなるという。

(画像中の表面だけでも約30匹が数えられます。おそらくこの蜂球は50匹以上群がっているのでしょう。)

 ←あくる朝、同じ場所を見ると一匹のスズメバチの死骸があった。ミツバチの死骸はなく、ミツバチの集団攻撃の勝利だったようです。
自然林の空洞に蜜蜂が巣を作り、それを熊が攻撃(中)、ついには堅い木に爪で穴をあけてしまい蜜をとる。クマは狙った獲物はあきらめない習性がある。まだ近くに潜んでいるはずです。 今年(2013)の猛暑は庭先のミツバチにとってはきびしいようで、一日中洞の外で過ごしている。暑かろうね(-_-)ごめんヨ