鈴ノ大谷山・盛太ヶ岳縦走
鈴の大谷山山頂から眺めると東側目前に見える独立峰、この盛太ヶ岳に縦走したいと思う人は多いのではないでしょうか?。これは山ボケ会からのお誘いを受け、2006年11月5日 4名で歩いた記録です。

ルートは一般的なルートで入江山林道を入り、山頂へは寄らず尾根から盛太ヶ岳を目指し、下山は蓼野側に降りるコース。

本日雲一つない晴天、08:00林道から稜線を目指す。途中の造林地の道は味気ない、頭の中は初めての稜線が想像される。

08:23鈴ノ大谷山に続く稜線到着、朝もやにかすみ目前に盛太ヶ岳が気高く浮かんでいる

最初のピークを目指しヤブコギ開始、右側はヒノキの造林地、左は広葉樹林で樹齢は数十年だろうか、ブナの若木、コシアブラ、ウリハダカエデ、ミズナラ、ナツツバキなどありその黄葉がすばらしく、太陽は右て前方にあるはずなのだが、左側から黄金の光が差してくる感じだ。
特に青い空に映える若いブナの黄葉はすばらしく感嘆する。

かつてはブナの大木の立ち並ぶ原生林だったのだろう。せめての慰めはその後針葉樹が造林されずに放置されたことかもしれない。いつかはかつての姿に再生してほしいと願う。

08:42最初のピークは町村合併前の境界でもある。木立の中に盛太ヶ岳が浮かび、平家岳、荒田山、長野山、恋路山などが確認できる。

少しの間急な下りがあるが、手頃な木をつかんで降りることができるので安全!

小休止をとりながらゆっくり、変わりゆく景色を楽しみながら歩く。

 

気温18度左側から吹く風は心地よく、汗さえにじんでこない。過去にも縦走したものはいるのだろうが、テープなどが巻かれた木は見られない。ヤブと言えるほどではなく、これほど快適な縦走があっただろうか?

緩やかにアップダウンする中に横断するように溝になっている箇所があった。人的なものか動物が掘ったものか不明、長さは5m〜7mほど幅50cm深さ30cm、水を集めるにしては高い部分に掘られている。稜線を挟んだ地区の往来の古道らしいものはあったが、ついにこの横断溝はなにかわからずじまい。

盛太ヶ岳はトロイデ式火山(鐘状火山)である。最後の鞍部を過ぎると盛太ヶ岳のふもと、急登になり笹は背丈を遙かに超える藪になる。登るにつれて緩やかになり笹も急に丈が短くなり歩きやすくなる。

黄金に輝く山頂は目前!。どこからか11:30に吹鳴するサイレンの音が聞こえてくる。

11:43 山頂到着、全員縦走してきた方に向いて、木立越しに見える鈴ノ大谷山・そこから続く稜線に見入っている。
本日山頂は我らの貸し切り、山頂にあるウリハダカエデの大木に真紅の葉が鮮やか。

山頂のほこらはここが山岳信仰の場であった証。縦走してきた稜線も、かつてはここから鈴ノ大谷山に続く、修験者の通る道があったに違いない。うっそうとしたブナの森の中を通り抜ける姿を想像できる。

山頂での弁当はうまい!次回の山行の話など話は尽きない。ぽかぽかの小春日和、個人的には昼寝でもしたいところだがそうもいかない。

12:33 下山開始、下山は南側の尾根を下り、蓼野地区に降りるルート。

下山する尾根は肩まである笹に覆われている。笹をかき分け下っていると、やがてかつての道らしい跡を歩いているのに気づく。これは山頂のほこらに参拝する参詣道でもあったのだ。所々に奉納された小さな花崗岩の石仏が置かれていて、多くの信者が参拝したことをうかがわせる。

尾根伝いの参詣道からはずれ沢にはいる。数年前ははっきりとした道があったが、今はただのヤブになっている。

ヤブには山芋のツルも多く、ツルには多くのムカゴがついている。いつも持ち歩いている笠を反対にして開き、ツルを揺するとムカゴがバラバラと落ちてくる。今は野生動物の食べ物なのだろうが少し頂く。そのまま口に入れ噛むと、まるでモチを食べているような食感だ。

14:36 蓼野地区の「なつめ」に出る。前もってここの駐車場に回しておいた車に乗り集合場所に向かう。
お世話になった皆様に感謝!天候に恵まれ季節も最高の時に、念願の縦走を達成できたことに感謝!