とびのこ山トレッキングレポート
第七回になる「エコビレッジかきのきむら」主催、「吉賀町産業課」共催秋のトレッキングは2008年10月19日晴天の中行われた。今回は柿木村の人には親しまれなじみ深いとびのこ山、この山は津和野町にある青野山火山群に属し、トロイデ火山でもある。古くから個人あるいは共有地で草刈り場として利用され、また春にはウドや蕗などの山菜採り、小・中学校の遠足などでも親しまれた山である。現在では草刈り場は造林地となりかつてのような展望は望めないが、この身近な山をトレッキングから外すことはできないと縦走が決定された。
コースは下の通り、まずエコビレッジかきのきむら(旧柿木中学校)をマイクロバスで出発、1.7km離れた栗木地区まで移動、そこからとびのこ山北側尾根を登り山頂を目指す。下山は南側に下りトリゴエと呼ばれる鞍部から右折して福川長崎谷に下り三之瀬まで林道を下る。そこからマイクロバスで出発したエコビレッジかきのきむらに戻るというコースで行われた。
07:30
集合場所はエコビレッジかきのきむら前、ここは旧柿木中学校だったところで国道187号線沿いにあり、中央奥の樹木下にはかつての津和野街道の渡し場があった所です。
肌寒いほどの朝もやの中総勢43名の参加で出発式が行われた。
益田市の田中幾太郎さんの話はいつも面白い。
意外なほど地元からの参加者が少ないようだ。たぶん「もう何度か登ったことがある
などの理由からなのだろうか?それほど身近な山でもある。
ここから1台のマイクロバスで2班に分かれて栗木地区まで移動する。
右画像は栗木橋に集合したメンバー、この橋の下には柿木温泉とほぼ同質の冷泉が湧き出て、岩盤を赤茶色に染めている。かつてはこれを沸かし温泉もあったと聞く。
これから登る尾根越しに朝日が差し込む中をイザ出発、橋を渡り民家の間の畑の中を登っていく
少し登ると大きな銀杏の木があり多くの実が落ちている。栗木地区だけに栗木も多く植えられており、収穫時期も終わり栗のイガが散乱している。今年は少ないのだが熊の被害らしく枝が折れている箇所も見られる。

畑・果樹園を過ぎると雑木林の尾根になる。このあたりコナラやクヌギが多く、かつてより椎茸栽培が行われてていた。クヌギは椎茸栽培に適した木で15pから20pに生長すると切り倒され、椎茸栽培の原木として利用される。残った切り株から新たな芽が吹きそれが15〜20年成長するとまた利用される。
これを繰り返すと根回りは極端に大きな異様なクヌギができてくる。
写真家の今森光彦さんはこれを「やまおやじ」と名付けたのだそうだ。
右画像はまさにやまおやじである。太い部分の直径は80センチ以上だろうか、根元には岩を抱き込み中央には楕円形の空洞もあり風格は十分だ。
これは「がんこやまおやじ」と勝手に命名。
広葉樹林の下はいろんな植物が見られる。サラシナショウマはまだ花をつけている。イカリソウはあちこちで株になり緑の葉を付けている。左右非対称な形のこの葉はおどけた表情にも見える。チゴユリも黒に近い青い実を付けている。
樹齢の若いウリハダカエデはまさに瓜肌、名前の由来が理解できたと言う人もいる。
なだらかな尾根で休憩!汗ばんだ肌にさわやかな空気が心地よい。木立越しにかすかに見える家は柿木村柿木地区のそれだとやっと確認できる。博学の幾太郎さんはいろんな説明を休みなくしてくれる。
「とびのこ山は鐘状火山だ、今までは釣り鐘の急な部分じゃった。これからは緩やかになってくる」、etc
しばらく行くと木立に異様な布切れが掛かっている。よく見ると鯉のぼりだとわかる。これはまだ樹木も小さい頃、視界の利くこの場所に鯉のぼりを揚げたのだ。
参加者にこのことを知った人もおり20数年前の物だとわかる。

山頂は近い。

山頂到着は10時30分過ぎ、山頂は杉の造林地で展望は利かない。とかく造林地の中は暗いが差し込んでくる日差しで明るい。昼食には少し早い、この時間を利用して簡単な自己紹介が行われた。地元をはじめ山口市、周南市、益田市、浜田市などからの参加者だ。
少し早い昼食、体の火照りも冷め心地よい空気の中での弁当の味は格別!食後のコーヒーは眠気を覚ましてくれる。
下山予定は12:00それぞれの場所で話が弾んでいる。
下山前恒例のふるさとの合唱が行われるが、今回は周南市から参加の足立さんのオカリナ演奏に合わせて行われた。オカリナの音色は自然にとけ込み、ふるさとの合唱はひと味違う合唱となった。
オカリナの音階は焼き上がったあと調整するのだろうと思っていたが、足立さんの説明によると多くの中から音階の合ったオカリナだけを選り出すのだそうだ。


12:00
下山開始、下山は南側斜面の尾根を鞍部まで下りその下にある作業道跡に下りるというコース。
かすかに色付きはじめた林の中を下りる。急な下り坂はそばの笹や小さな木を握りしめブレーキをかけながら下る。
途中一本のアオギリが立っている。尾根の境界の目印に植えられたものか、あるいは種がここまで運ばれたのだろうか、またまだ小さいがキウイフルーツの苗木まで見られる。
斜面を下りた鞍部はトリゴエと言う所、野鳥が尾根を越える場所と言う意味でもある。これらの木は鳥によって運ばれたのだろうか?

注意 もしも同じコースを歩いてみようと思われている方があれば!!当初、ここ(トリゴエ)から左の尾根を下り柿木長崎谷にある柿木長崎林道に下りるルートを予定し笹を刈り払っていた。谷に近いところで急勾配になり安全上断念、尾根の鞍部からから右に折れ造林地の中を下り作業道を経由し、福川長崎谷の林道に下りるルートに変更した。間違ったルートに十分なバリケードがないので要注意です。
トリゴエの尾根から右折して造林地の中を下り、荒れた作業を下りて林道に出る。マイクロバスの待つ県道3号線までは1.2kmほどここで一休み。
橋の下は澄み切った水が心地よい瀬音を立てている。もう少しするとこの流れに筋になって落ち葉が流される光景が見られるのだろう。
よく見ると流れの中に魚が泳ぐのが見える。ヤマメのように見えるが確認できない。そろそろヤマメやゴギの産卵も始まる頃、この谷でも砂利を掘り返した産卵床があちこちで見られるだろう。
疲れも知らずヤブの中に手を伸ばしている人たちはムカゴを採っているのだ。料理法などの話も聞こえてくる。
ムカゴご飯云々、ゆでて塩をパラパラ・・・、私はそのまま口に放り込みバリバリかみ砕いて食べます。


この後三之瀬地区まで歩きそこから2班に分かれ、マイクロバスでエコビレッジかきのきむらに集合。
14:10
解散式では西に傾いた太陽の陽を浴び、南西方向にとびのこ山の頂を眺めながめとびのこ山賛歌(雪山賛歌替え歌)をうたいます。これもオカリナに合わせて歌いました。

♪♪とびのこの御山よ♪ごきげんよろしゅう♪また来るときにも笑っておくれ♪♪ 

来年の春秋のトレッキングは大鹿山と今回時間の都合で行けなかった大ケヤキの見学などの話もでました。
最後におしること・・・・うーんトウモロコシの粉で云々、はじめて食べる食べ物で名前も聞いたのですが・・・・・?
ちなみに私はきんぴらゴボウの挟んだものをいただきました。
もちろんおいしかったです。

お世話になった皆様方ありがとうございました。


14:35それぞれの方向に解散