第1話「ショウ・ラッド」
宇宙世紀0201年、腐敗の一途をたどり消滅目前であった地球連邦政府は、若手議員たちの大改革によって大きく生まれ変わった。
大改革によって力を高めていく連邦政府は、一度は独立を認めた各サイド政府に対して干渉を始め、、年々各サイド政府への圧力を高めていった。
そして宇宙世紀0213年、連邦政府は各サイドに連邦軍部隊を常駐させ、すべてのサイドを連邦軍の監視下に置いたのである。
サイド政府の中には自らの軍を設立したサイドもあったが、長く続いた平和の中でその軍備は縮小されており、15年の歳月をかけて大幅に軍備を増強していた連邦軍に抵抗することはできなかった。
しかしそんな中でサイド1政府だけは、連邦軍に合わせるようにひそかにサイド1政府軍のバハムートの軍備を拡張し、来るべき日に供えていたのだ。
宇宙世紀0217年7月、バハムートのMS小隊がサイド2に近いエリアにある連邦の軍事基地トゥラーンを襲撃する。
彼らの目的はこの基地で開発・実験されている連邦の新型MSの破壊であった。
そのトゥラーン基地で研究員として働いていたのが、ショウ・ラッドとリリア・メサの二人だった。
同じコロニー出身で同じ進路をたどって来た二人は、この基地で新型MSに搭載されているオーラセンサーの調整をしていた。
オーラセンサーはサイコミュを発展させた物で、これまで以上にパイロットと機体を密接にするシステムであった。
バハムートのMS小隊の接近を察知した連邦軍はトゥラーン基地の駐留部隊を出撃させると共に、近隣の連邦軍基地に救援を求めた。
出撃したトゥラーン基地のMS部隊は連邦軍の主力量産機であるディスガル6機とペルセス2機、それに対してバハムートのMS小隊は量産機のガデス3機と指揮官機のガルディ1機であった。
バハムートのMSの攻撃によって次々と連邦軍のMSは撃破されていき、基地も破壊され基地の最深部にいたショウとリリアは逃げ遅れ脱出できなくなってしまう。
爆炎の中を逃げ回る二人はMSの格納庫にたどり着く。
そこで二人を待っていたの新型MS、ガンダムEX-1SB(イーエックス-ワン サイレントブレイブ)であった。
格納庫に寝かされていたEX-1はすでにアイドリング状態でいつでも出撃できるようになっていた。
周りを確認したショウは爆発によって落ちてきた瓦礫の下敷きになっているパイロットたちを見つける。
二人はEX-1のコックピットに乗り込み機体を稼動させ、爆炎の中から脱出する。
だがそれで危険を完全に回避した訳ではなかった。
基地を脱出したEX-1にバハムートのMSが襲いかかってくる。
ショウは左右から攻撃を仕掛けてくるガデス2機をビームライフルで撃破する。
そのとっさの行動にリリアだけでなく、ショウ自身も驚く。
しかしショウには自分が何故MSの操縦が、こんなに上手くを操るEX-1ことができるのかを考えてる余裕はなかった。
ビームライフルを連射しながら迫ってくるガルディにショウはライフルのトリガーを引くが、EX-1が装備していたのはテスト用のライフルだったためエネルギー残量が少なくビームは発射されなかった。
ショウとっさに判断しガルディからの攻撃を受け止めていたシールドをガルディに向かって投げた。
投げられたシールドは中心部を残して上下に分離、それぞれがフィンファンネルとなるとガルディに集中攻撃を食らわしたのだ。
バハムートのMS小隊は倒したものの、トゥラーン基地は壊滅し生存者もショウとリリアしか確認できなかった。
爆発を起こしながら崩れ落ちていくトゥラーン基地を見ながら、これからどうするかを話し合うショウとリリアの目に救援にやって来た連邦軍の戦艦の光が見えてきたのだった。