第2話「黒い疾風」
トゥラーン基地の救援にやって来たのは、アスラード補給基地に駐留していた連邦軍第11特別部隊の戦艦ネオ・ペガサスであった。
ネオ・ペガサスに救助されたショウとリリアは、部隊の司令官でありこの艦の艦長でもあるクルー・エムズにバハムートのトゥラーン基地襲撃の出来事を話す。
ショウたちの話しを聞いたクルーは基地周辺を探索させてみたが他に生存者は確認されなかった。
ここ最近バハムートはサイド2周辺の基地に攻撃を仕掛けていて、トゥラーン基地襲撃もその関連だと思われた。
連邦宇宙軍本部に事件の報告をするため第11特別部隊は一先ずアスラード補給基地に戻ることにした。
艦の一室をあてがわれた二人はやっとそこで休息を取ることができた。
ショウたちが浅い眠りについていた頃、艦のMSデッキではロイアス・グエンたちメカニックスタッフの手によってEX-1が実戦用の整備を受けていた。
しばらくして、眠りについてショウはクルーにブリッジに呼び出される。
EX-1に搭載されているオーラセンサーについてロイアスが聞きたいことがあるというのだ。
ショウは隣の部屋にいるリリアが疲れて眠っているのを確認すると、ブリッジに向かった。
ブリッジにやって来たショウは待っていたロイアスに、EX-1に搭載されているオーラセンサーがショウ以外のパイロットをうけつけないようになっていて、それを解除することはできないのかと問われる。
オーラセンサーは、パイロットの感情を機体の限界性能を変化させるシステムである。
過去のサイコミュシステムの問題点であったパイロットへの負荷を解消しシステムの性能を上げるには、システムとパイロットをこれまでサイコミュ以上に一つにする必要があった。
そのためEX-1のオーラセンサーは最初にパイロットの脳波にシンクロするよう設定すると(設定しないとセンサーは機能しない)、それを解除しないかぎり他のパイロットが乗ってもシステムが機能しないようになっていたのだ。
ショウはトゥラーン基地を脱出する際、オーラセンサーを自分に合わせて設定していた。
ロイアスやここのスタッフではその解除ができなかったため、ショウがブリッジに呼び出されたのだ。
ショウがオーラセンサーの説明が終わった時、突如バハムートのMS部隊の接近をしらせる警報が艦に鳴り響いた。
トゥラーン基地を襲撃した部隊が帰還しなかったため、その部隊の探索に出撃した別部隊に艦を発見されたのだ。
その別部隊を指揮していたのはバハムートの黒い疾風と呼ばれ恐れられているジーク・フレッドだった。
バハムートの部隊の接近に、クルーは艦のMS部隊を出撃させる。
だがジークの乗るガルディによって次々と撃墜されていく。
バハムートのMSの攻撃から艦を守ろうとするランスロット・ワグナー、だが完全に防ぎきれず、カデスやガルディのライフルから放たれたビームが艦を直撃する。
ビームの直撃による衝撃に耐えたクルーはショウの姿がブリッジに無いことに気がつく。
今、EX-1を完璧な状態で動かせるのは自分しかいない、少しの戦力になればと考えたショウは艦を守るためにEX-1で出撃する。
バハムートの部隊はガルディ1機とガデス8機、それに対して第11特別部隊のMS部隊はペルセス3機のディスガル6機であった。
艦を守りながら奮闘するランスロットであったが、彼の乗るペルセスの前にジークのガルディが姿を現す。
ガルディの攻撃を防ぐことしかできないランスロット、ジークがとどめの一撃を放とうとした時、EX-1が放ったビームがガルディの動きを止める。
EX-1の出現に驚くジークだったがすぐに反撃を開始する。
ガルディの攻撃に劣勢に追い込まれるEX-1、だがショウの放った起死回生の一撃が戦いを五分に戻す。
ジークがEX-1に再度攻撃を仕掛けようとした時、ガルディに向かって無数のビームが放たれてきた。
2機は戦っている内にアスラード補給基地の防衛エリアに入り込んでいたのだ。
第11特別部隊との戦いで疲労している状況で、このまま戦い続けるのは得策ではないと感じたジークは部隊を退却させる。
ショウの活躍によって、第11特別部隊は黒い疾風を相手にしながら受けた損害は少なかった。
だがショウの中に黒い疾風ジーク・フレッドの名が大きく刻み込まれていた。