第5話「戦いの序曲」


バハムートの部隊から攻撃を受けるネオ・ペガサス。
的確なクルーの指示と、操舵士ブルー・ライドルの腕前、そしてランスロットたちMS部隊の活躍によってなんとか持ちこたえていたが、それも時間の問題であった。


その頃ショウたちはバハムートの部隊に見つかることなく、ゼウスの雷近くまでたどり着いていた。
小型船のモニターを拡大したロイアスは、ゼウスの雷が発射をするためにエネルギー充填を開始していることに気がつく。


ゼウスの雷の攻撃目標は連邦軍の艦隊の集結地点。
発射のためのエネルギーはほとんど充填されていた。
しかし発射を待たなければいけない問題が起きていた。
第11特別部隊とバハムートの部隊の戦闘地域が、ゼウスの雷の射撃線上だったのだ。
このまま発射してしまうと仲間の部隊を巻き込んでしまうため発射できないのである。


軍本部はその部隊に戦闘を中止し、線上から退避するよう何時も通信を送っているのだが、戦闘中のためミノフスキー粒子濃度が濃く、通信が届かなかったのである。


軍本部の中には、彼らを犠牲にしてもゼウスの雷を撃つべきだと言う者もいた。
しかしアークはそれらの者の意見に反対し、どんなことになろうとも同胞が同胞を撃つことなどしてはいけないと、皆に唱えた。


その頃、ゼウスの雷の周囲に不穏な空気を感じたジークは、直属の部下であるロキ・アシュトン、セト・ダリン、ホルス・マードックの3人を連れ、その宙域に向かって出撃する。
自らが感じるままに機体を進ませるジーク。
その目の前に現れたのはEX-1の姿であった。


偶然ではなく必然、互いの姿を見ながら2人はそう感じていた。
連邦軍のMSを見つけたセト、ロキ、ホルスの3人はジークが止める前にEX-1に攻撃を仕掛ける。


ショウが戦いを開始した頃、EX-1を発進させた小型船はバハムート全部隊の目が第11特別部隊や、その後ろで集結している連邦軍艦隊に向けられてる隙をつき、ゼウスの雷内部へ入り込んでいた。
そしてロイアスはリリアを小型船に残し、3基あるゼウスの雷の融合炉の1基を暴走させ、その誘爆によってゼウスの雷を破壊するために、メンテナンス用に置いてあった作業用ポッドに乗り、融合炉に向かったのだった。


その頃ネオ・ペガサスは、艦の各所から小さな爆発を起こしながらも戦い続けていた。
バハムートの援軍が来ないのは、自分たちとバハムートの部隊が戦っているこの場が、ゼウスの雷が集結している連邦軍艦隊を攻撃する射撃線上であるためだということにクルーは気がついていた。


それと共に、自分たちの背後にいる連邦軍艦隊は囮であり、本隊はゼウスの雷からの攻撃をギリギリで回避できる位置で、囮が攻撃されるのを待っていることにも気がついていた。


連邦軍艦隊は囮として用意した艦隊をゼウスの雷に攻撃された後、ゼウスの雷が再攻撃のための充填する隙に総攻撃を開始するつもりだったのだ。
つまりバハムートの部隊が第11特別部隊を深追いし、ゼウスの雷の攻撃を阻止していることは、連邦軍にとっても誤算であったのだ。


それを知りながらクルーがこの場で戦い続けていたのは、自分たちが囮にされていることを知らされていない、囮艦隊の兵士を守るためであり、ゼウスの雷を破壊に向かったショウたちが成功することを信じていたからだった。


しかし一瞬ミノフスキー粒子の干渉が緩み、バハムート本部からの撤退命令が部隊に届いてしまった。
本部からの通信で自分たちがゼウスの雷の攻撃の邪魔をしていたことを知った司令官は、慌ててネオ・ペガサスへの攻撃を中止し、MS部隊に撤退の信号を送った。


バハムートの部隊の撤退は、ゼウスの雷が攻撃可能になったことを意味していた。
そして身を潜めていた連邦軍本艦隊も動きを開始しようとしていた。


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