TSUWANO YAMORIES

津和野の森から、日本を変える

 

Concept

「安全第一の作業」
「美しい森づくり」
「自分で考える力」
「カッコイイ林業」

 
 真っ青な空、緑輝く森林、透き通った高津川。外から眺めるとどれも美しかったのですが、ひとたび森林の中に入ると森はジャングルのようにうっそうとし真っ暗でした。これが平成21年に私が林業係になったときの感想です。

森が泣いている。

 林業のことはまったくのど素人だったので、自分で林業をするためにチェンソーを買いました。早速、ばあちゃんが育てたヒノキ林で間伐をし、枝払い・玉切りをし、軽トラに乗せ、町のチップ業者まで運搬しました。そしたら軽トラ3台分でたったの2,000円/トンでした。これじゃあ、林業は誰もやらないよ。
 平成23年度に社会実験として「山の宝でもう一杯!プロジェクト(山宝一杯!)」を実施し、3ヶ月間で28人が登録し、237トンが出荷され、大成功となりました。平成24年度からは通年事業とし、現在では登録者135人、累積出荷量2,900トンまできました。
 この山宝一杯!はただの助成事業ではなく、「何よりも安全を最優先する」作業を行うために、様々な研修プログラムを組み、登録者全員がケガのないように取り組みを行っています。事業をきっかけに自伐林家のグループ「ヤマトマモルの会」も立ち上がりました。
 さらに、国の事業「森林山村多面的機能発揮対策事業」にも14団体158名が参加し、地域の里山を整備しています。
 今私たちは、さらなるステップアップを目指すために、総務省の地域おこし協力隊制度を活用して、自伐林業チーム「津和野ヤモリーズ」を結成し、津和野自伐型林業の実践と推進をスタートさせました。
 津和野自伐型林業は、津和野にある豊富な資源を最大限に活用し、地域の山を管理させてもらい、自分の山のように愛しながら、壊れない作業道を入れ、利用間伐を繰り返し、美しい森林を作りあげていくことです。
 「安全第一の作業」を徹底し、「美しい森づくり」を目指します。自伐型林業は様々な問題に対して解決する「自分で考える力」も必要です。そして、何より、子どもたちにあこがれる「カッコイイ林業」を目指して取り組みます。
 
 最後に、私たちは、津和野自伐型林業により、「中山間地域の再生」を実現したいと思います。

津和野町農林課林業係 村上久富
 

We are hiring

津和野自伐型林業の“仲間”を募集しています。

 
 
APPLICATION
※応募される方は必ずお読みください。 

 

※応募お待ちしております。

Member

Toshihiro taguchi

 

田口 壽洋〔第1期生〕
①年齢:38歳 ②前住所:神奈川県・沖縄県 
③前職:広告代理店

19歳で出会った素潜りにどっぷりハマり、冬でも銛を持って海に入る事を18年続けて、北はオホーツク海から南は日本最南端の有人島まで全国200箇所以上の海で潜ってきた僕は、2014年12月に海のない津和野町に、『自伐型林業』を生業とする為に移住しました。
 これまでに仕事では、食材のブランディングや六次産業化、観光コンテンツ作成など、消費促進による地域活性化を行ってきました。また、全国各地で同じように、地方への観光客誘致や都会への食材販売等が行われている事を目の当たりにしてきました。
 しかし、マーケット(国内人口)が縮小し、全国の地方が競合となる中でのりながらの売上増による全国各地の活性化は可能でしょうか?
 TPPで有利になった海外マーケットへ進出すれば可能でしょうか?
北海道ならいざしらず、2/3が山林である日本の中山間地域の農地で生産された食材が、米国や豪州、中国などの広大な農地、大規模低コスト生産された食材と、勝負出来るでしょうか?
 獣医学部に在学中から就職した後も、そんなことを考えながら世の中を見ること約15年、現在は島根県津和野町で林業をしています。
 なぜ真冬でも海に潜るほどの海好きが、海のない地域で林業だったのでしょうか。
 2014年10月、『林業』の他に選択肢は考えられませんでした。資源のない国と言われてきた日本ですが、少し遠くを見ればどこででも目の前に『山』があるじゃないですか。国土の2/3を占める日本の森林率は世界17位、先進国ではトップクラス。『在るものを有効に活用する』、それだけ。
 『林業はもうからない』と業界の人は口を揃えますが、『儲かる』必要があるのでしょうか。消費拡大をするための仕事に従事した人間から見れば、実際の暮らしに必要なモノやカネは多くありません。そんなにお金が無くても、都会で寝る間も惜しんで働いているよりも、この場所なら豊かな暮らしが実現できるのです。
 『森は海の恋人』と言われて久しいですが、世界第6位の海岸線を持つ日本。全国の漁村は、魚介類を獲る漁業者、その加工流通を行う業者等で成立していたコミュニティです。しかし、海によっては磯焼け等が見られ、漁獲量減少も目立っています。その原因の一つが、『手入れのされない山林にある』と言われています。手入れされた山林からは、落ち葉などから養分が流出し、海に流入することでプランクトンの繁殖に繋がり、海の食物連鎖へと繋がります。
 また、手入れされた山林は保水力が向上し、土砂災害の減少が期待されます。
 更には、地域内の木々を薪等のエネルギー源として活用する事ができれば、地域外への貨幣流出やCO2排出量までもが減少し、新たな雇用も見込まれます。
 現在の我国や世界の情勢を俯瞰すると、ある程度は地域内循環型のコミュニティを成立させる必要があります。
 そして、一箇所でもそのモデルが構築できれば、全国の多くの中山間地域で同じように運用することが可能となります。津和野町ではそのモデルとなるべく、自伐型林業従事者の育成、小規模木質バイオマスガス化発電導入の検討などの活動をしています。
 
 『地方創生』が叫ばれる昨今、事業視点で中山間地域での成功事例・モデル構築できるプレイヤー兼ブレーンをお待ちしています!

Hideaki harada

 

原田 秀明〔第2期生〕
①36歳 ②東京都 ③自動車板金・塗装 

 平成27年4月より東京都から移住し津和野ヤモリーズに入りました。原田です。
 震災をきっかけに移住を考える様になり、東京都の林業就業支援講習を受け、より林業に興味を持つようになりました。自伐型林業・自然豊かな教育環境・定住促進住宅・地域が魅力で子供3人と妻の5人家族で移住しました。
 現在は主に、町行造林にて作業道延長・間伐作業を行っております。
地域おこし協力隊として3年間は、研修・実践の期間として技術・知識を身につける期間として、また卒業後に作業できる山の確保も進めていかなければなりません。
 自伐型林業の先進地である、奈良県吉野の清光林業相談役岡橋清隆さんから研修を受けられる事は非常に勉強になりありがたい事です。協力隊以外の山の仕事や行事も多く時間が中々取れないのが現状ですが、今後は狩猟や自家消費程度の農業も行いたいと思っています。
 
 

Kosuke aridomi

 

有冨 晃典〔第2期生〕
①36歳 ②京都府 ③旅行業 

 津和野へ、というよりは西中国の背梁のひとつである奥深い安蔵寺山、ダムがなくて生命の滞っていない清流高津川、谷に沿って石垣を組んで並ぶ山の集落、この環境に特別な魅力を感じて移住しました。サハラ沙漠のトゥアレグ、密林のピグミー、灼熱の土地のダナキル、自然に寄り添って生きる人たちの研ぎ澄まされた眼差しに惹かれ、自分も多くを持たずにシンプルに生きたいと思いました。また、子供が幼少より自然の中で日常を過ごすことに見逃せない価値があると思いました。なるべく自家の衣食住を自給したいと考えており、自伐によって自分に最適なワークバランスと必要十分な収入の確立を目指しています。
 
 

Yoshikazu niikura

 

新倉 芳和〔第2期生〕
①41歳 ②神奈川県 ③空調業 

 Nickこと新倉と申します。
 地域おこし協力隊制度で自伐型林業の勉強が出来ると友人づてに知り、かつてからの夢であった自然の中で仕事をしながら田舎暮らしを実行出来ると移住を決意しました。
 あれからすでに一年が経過し、現在は手入れがされていなかった山に作業道をつけて間伐した材を搬出することを日々勉強中です。当然ですがまだまだ慣れていなく毎日が新しい発見の連続ですね。
 私が田舎暮らしをした理由の一つに一軒家に住んで薪ストーブを焚きたいという願望があったのですが、それも実現できました。これを書いている今もストーブに火をいれてぬくぬくしながらです笑 燃料となる薪は90%が山林の津和野では調達に困らないでしょう。
 やりたい仕事をしてその結果、山が綺麗になり、手入れの際にでてきた木を集めて生活に利用する。こんな充実は中々味わえません。 
 一人前の山師、田舎人になれるよう精進していきます!

Yuka ishida

 

 

石田 佑佳〔第3期生〕
①27歳 ②千葉県 ③システムエンジニア 

 日本の森林は収穫期を迎えても手入れがなされず荒廃していく一方、海外では森林の消失が進み、日本が輸入する木材のなかにも違法伐採された木材が1割程度存在すると推定されています。こうした状況に疑問を感じていたとき、「自伐型林業」「木質バイオマス発電」という言葉に出会いました。これは、エネルギーと現金収入の面から現代版さとやま暮らしを支える一つの柱となり、生物多様性の保全やCO2の吸収に貢献し、木材生産を含む様々な生態系サービスを次世代へ継承する手段になり得るのではないかと思いました。そんな折、津和野町はこれを推進しようとしている自治体であり、地域おこし協力隊の制度を利用し担い手の育成に取り組んでいることを知って、応募しました。
 2016年4月に着任し、現在は壊れない作業道づくりの補助として、実践しながら学ぶ毎日です。チェンソーや補助器具を使った伐木、重機を使用した道の開設と修正、それらの作業は変化する自然の状況を観察することから始まり、意図した状態にするには難しさも感じますが、驚きや発見という楽しさもあります。現場作業の他、小学生の伐木体験授業のサポート、「美しい森林づくり条例」ワーキンググループのメンバーとしての活動、noteを利用した情報発信などの業務もあります。こうした活動は、日々の作業を振り返り整理することや、将来の生活の補完材料とすることにつなげられれば、意義あるものになっていくと思っています。楽しそうに木を切る小学生からは、単純に元気をもらいます。豊かな森林を未来に残せる生き方はまだ私の手にはなく、試行錯誤あるのみです。

Nozomi arimura

 

有村 望〔第3期生〕
①24歳 ②神奈川県 ③木材流通業

 2016年4月から私は津和野町に移住し、地域おこし協力隊として自伐型林業を学んでいます。 以前は主に外材の流通の仕事をしておりましたが、次第に国産材の普及に貢献したいという思いが強くなりました。というのも、日本は森林率7割の世界でも有数な森林国であるのにも関わらず国産材の自給率は3割しかありません。なぜ国産材が普及しないのかと考えたときにまず頭に浮かんだのは、日本の林業の衰退や荒廃する森林の姿でした。そんな折、現行の林業の特徴である大規模・短伐期皆伐施行ではなく、持続可能で環境保全型の「自伐型林業」を知りました。自伐型林業の特徴である低投資、低コストの小さい林業だからこそ日本の林業就業者数も増加し、さらには林業の6次産業化や針葉樹だけでなく広葉樹の利用も可能であり、国産材の普及に貢献できると確信しました。ぜひ自分も自伐型林業を生業にしたいと決意し、自伐型林業先進地である津和野町に実際に足を運びました。そこで話を聞き、林業体験も行わせていただき、津和野町の自伐型林業から日本の森・林業を変えるという熱い思いと、それを実現するためのチェーンソーや壊れない作業道づくりのなどの実践的な研修、山の宝でもう一杯!プロジェクトや木質バイオマスガス化発電など様々な取り組みを行っていることに感銘を受け、津和野町に移住し自伐型林業を生業にすることを決心しました。
  現在は作業道開設や間伐・搬出、徐伐など地域の森林をフィールドに作業を行っており自伐型林業の習得に精進する日々です。現場作業以外では津和野町が推進する「美しい森づくり条例」のワーキンググループで構想案を検討したり、地域住民の方々に林業体験を行ったりと忙しいですが充実した日々を過ごしております。
  将来についてですが、まず短期的な目標としては、地域おこし協力隊の任期の間に自伐型林業の基礎と丁寧で安全な作業を叩き込み、任期終了後には地域の森林をフィールドに自伐型林業を実践し自立していくことです。そして長期的には、これまで放置されていた森林を本来の森林生態系に近づけながら経営と環境を両立する林業を実践し、小さい林業だからこそ構造材や合板用の針葉樹生産だけでなく銘木生産から未利用材や広葉樹を利用した木製品の作製、薪の販売に至るまで、少量多品目で1本の木をピンからキリまで商品化し小さく多様に活用していくことです。また、観光資源として森の持つ癒し効果に着目し、「森と暮らす」をテーマにしたエコツーリズムの推進を図り、人と森の距離を近づけ多くの人々に森林や林業、木の良さを知ってもらえるような取り組みを行いたいと考えております。

Tatsumiti onuma

 

尾沼 龍道〔第3期生〕
①27歳 ②東京都 ③林業

 
 僕が山に幾らか関わりを持ち始めた頃、林業は儲からないとの声をよく耳にしました。実際にそうだと思いますし、僕らがこれから進めていく津和野の自伐型林業も、今のところ、補助金なしでは難しいでしょう。なぜなら山に良い木がそれほど育っていないからです。全くではありませんが。しかし、生活ぐらいは何とかなります。それは自伐型のやり方が、利用間伐による中間収穫を得る方針をとっているため、定期的に収入を得る事は可能であるからです。生活できれば十分です。山は悪くない仕事場ですから。
 しかし、僕の快適な生活のために山仕事をさせろと言っているわけではありません。木が僕らの次かその次の世代になる頃には、原木としても、山林の多面的機能の観点からも高い価値を持つようになります。これは皆にとって幸せな事と思いますので、津和野ヤモリーズを応援していただければ幸いです。
 

About Us

津和野町役場

所属

津和野町役場農林課(林業係)

所在地

〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田ロ64番地6

担当者

村上久富 / 桑原正勝

電話/Fax

0856-72-0653 / 0856-72-0067

E-mail

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