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(第1章)

我々の世界とは異なる世界カトラス。

カトラス最大の大陸にあるアーティック王国では、先代のアーディスU世と現王のアルテア王の2代に渡り平和な時を過ごしていた。

だがアルテア王が若くして亡くなったことで、その平和な時は終わりを告げる。

アルテア王の一人息子であるアルフリード・ジス・アーティックの即位の日、アルテア王の弟でアルフリードの叔父であるアントロフ・グエム・アーティックが、革命という名のもとにアーティック王国の各地で戦乱を起こしたのだ。

さらにアントロフは、アーディスU世の命令でアーティック王国の各地に封印されていた10機の騎甲王のうち、雷・氷・岩・森の4機の封印を解き、革命軍の戦力にする。

当初は革命軍の所持する雷・氷・岩・森の騎甲王に劣勢にたたされていたアーティック騎甲騎士団であったが、残る騎甲王のうちの火・水・土・風の4機の封印を解き、アーティック騎甲騎士団の戦力にしたことで、革命軍と互角の戦いを行えるようになる。

アーティック騎甲騎士団と革命軍の戦いが激化する中、残る光と闇の騎甲王の操者となる二人の人物が、カトラスとは別の世界から召喚。

光の騎甲王と闇の騎甲王が戦いに加わったことで、戦いはさらに激化していく。

しかし、革命軍と戦いが長期化したことで、王国の民が疲労していることや、アントロフが、隣国との融和路線を行っていた兄アルテアの死後、隣国らがアーティック王国に侵略の準備を進めていることを知り、軍備を増強しようとしたが、アルフリードの後見人たちの暗躍で阻止され、自身が政治の場から失脚させられたことが、今回の武力決起による改革に繋がったことを知ったアルフリードは、王都に攻撃を仕掛けてきた際に、自らの王位を放棄し、革命軍に王都を引き渡す。

アルフリード王位を放棄したことで、アントロフが国王に即位。

革命軍は、アーティック王国の正規な軍となる。

アーティック騎甲騎士団の団員たちは、そのまま王国軍に入る者、アルフリードとともに幽閉される者、行方不明になる者にわかれ、バラバラとなる。

王となったアントロフは、自国防衛のための軍備増強などを行うものの、当初は王国の民のことを考えた政治を行っていた。

しかし、騎甲王同士の戦いの影響で、アーティック城の地下に封印されていた邪騎王の封印の一部が解けていたことで、アントロフは邪騎王の邪の宝玉によって精神を操られてしまう。

王国の民の絶望と怨みを吸収し、封印を完全に解こうとする邪騎王は、王国の民の負の感情を増幅させるために、アントロフを操り悪政を行わせる。

アントロフが突如、悪政を行い王国の民を苦しめていることを知ったアルフリードは、騎士団解散後、姿を消していた団員らの協力によって、幽閉先から脱出。

アントロフを止めるために、各地に潜伏していた元団員たちと合流しながら、再び、戦いを開始する。

悪政を続けるアントロフに疑惑を感じた、王国軍にいた騎甲王の操者たちは、軍から離反し、アーティック騎甲騎士団に合流、全ての騎甲王と、その操者がアントロフと対立することになる。

そんな中、アントロフの精神を完全に取り込んだ邪騎王が、王国の民の膨大な負の感情を吸収し、完全復活。

しかし、全ての騎甲王が協力したことによって、邪騎王は倒され、邪の宝玉も破壊される。

死の直前 邪騎王の呪縛から解放され正気を取り戻したアントロフに、アーティック王国の未来を託されたアルフリードは、戦乱終結後、新たな国王に即位。

アーティック騎甲騎士団と王国軍は再編され、新生アーティック騎士団が誕生する。

異世界から召喚されていた光と闇の騎甲王の操者たちは、一連の事態が一段落したのを見届けた後、それぞれの世界に還って行った。   

 



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(2)

アーティック王国と大陸を二分するエルディア帝国。

他国への侵略行為によって国土を拡大してきたエルディア帝国だったが、これまでアーティック王国が所持している騎甲機に対抗できる戦力をもっていなかったため、アーティック王国領土への侵略が行えないでいた。

しかし、革命軍の傭兵であったブラッド・アンガーによって騎甲機のデータが持ち込まれたことで、エルディア帝国は、独自の騎甲機の開発に成功。

エルディア帝国の皇帝、カイザー・エルディアは大陸統一の野望を実現するため、アーティック王国への侵略を開始する。

新生アーティック騎甲騎士団は、すぐにエルディア帝国の侵略を阻止するため行動を開始するが、エルディア帝国が開発した騎甲王を陵駕する性能を持つ3機の騎甲帝によって劣勢を強いられることになる。

ブラッドは騎甲機のデータだけじゃなく、2年前の戦いで破壊された邪騎王の邪の宝玉のカケラまで盗み出していて、それもエルディア帝国に売り渡していたのだ。

ただ、凄まじい力を持つ騎甲帝には、強大な力を得る代償として操者の生命力を奪っていくという弱点があったため、長時間の戦闘は不可能であった。

その騎甲帝の弱点をつきながら、新生アーティック騎甲騎士団は何とか帝国軍の侵略を食い止めていた。

しかし、アーティック王国の領土は徐々にエルディア帝国に奪われていっていたため、アルフリードは、異世界から、再び光と闇の操者をカトラスに召喚する。

 

光と闇の操者が召喚され、光と闇の騎甲王が戦力に加わったことで、新生アーティック騎甲騎士団は帝国軍を王国領土から追い出すことに成功する。

相次ぐ敗戦に、カイザーは騎甲帝の弱点を補う方法を科学者たちに研究させる。

騎甲帝の弱点を補う方法を考え出さなければ、自らの命が無いと恐れた科学者たちは、騎甲帝の操者の肉体に邪の宝玉のカケラの一部を埋め込み、バトルドール(戦闘人形)にするという、忌むべき方法を考え出す。

帝国軍で軍人として戦っていた、カイザーの息子のサイザーは、軍の中で知り合った騎甲帝の女性操者ライザーが、父親の命令によってバトルドールにされようとしていることを知り、ライザーを救うために奔走。

そんな中で、帝国軍にスパイとして潜入していたジェイスと出会い、ジェイスの手引きでライザーを連れ、アーティック王国に亡命する。

アーティック王国に亡命したサイザーは、新生アーティック騎甲騎士団に協力しながら、エルディア帝国の侵略を止めようするが、サイザーの願いはかなわず、帝国軍はアーティック王国侵略の切り札として、もっとも大きな邪の宝玉のカケラを搭載した、魔の騎甲帝を製造。

バトルドールとされた操者が乗り込んだ2機の騎甲帝とともに、帝国軍は再び王国の領土への侵略を開始する。

だが、宝玉のカケラに残っていた邪騎王の思念と、カイザーに騙され、魔の騎甲帝の操者にするためにバトルドールにされたブラッドの怨みの念が合わさり、魔の騎甲帝が暴走。

宝玉のカケラの一部が埋め込まれた騎甲帝の操者たちも、暴走した魔の騎甲帝に操られてしまう。

王国と帝国の国境で暴走を起こした騎甲帝たちは、両国の都市を次々と破壊。

カイザーも、この騎甲帝の暴走に巻き込まれ死亡してしまう。

父親の死を知ったサイザーは、帝国に戻り、皇帝代理としてアーティック王国への侵略を中止させ、帝国軍に新生アーティック騎甲騎士団と協力して、暴走する騎甲帝の破壊を命じる。

両国の協力と、10機の騎甲王の活躍によって、暴走していた騎甲帝たちは破壊され、邪の宝玉のカケラも完全に消滅。

この戦いの後、帝国はアーティック王国領土から、全軍を撤退させる。

 

それから半年後、正式に皇帝に即位したサイザーは、アーティック王国からの支援を受けながら、カイザー路線を受け継ごうとする勢力を帝国から排除。アーティック王国とエルディア帝国の間で、和平を結ぶことに成功する。






(続章)

エルディア帝国との戦いから3年後。

アーティック王国の内乱やエルディア帝国との戦争などに騎甲機が使われたことで、王国や帝国の隣国でも騎甲機の開発が行われ始める。

王国や帝国の騎甲機の技術の流出によって、まずトゥラーン諸国連合が、短期間で独自の騎甲機の開発に成功し、製造と配備を開始。

続いて、シェロ商業都市同盟も独自の騎甲機の開発に成功する。

トゥラーン諸国連合やシェロ商業都市同盟が、新型の騎甲機の製造・配備を進めているのを受け、王国でも新型騎甲機の開発を開始。

新たな騎甲兵ナイティアを完成させる。

また従来の騎甲兵も、ナイティア開発で生み出された最新技術によって総合的な能力を高めたバージョン3型への移行が開始されている。

帝国の方は、新型機の開発は無いものの、ドワーダとエルフルがバージョンアップ機への 移行を開始。(このバージョンアップ機はB型と呼ばれている)

さらに、騎甲帝として開発されたスカイセル・グランダ・マリールの機体を、機体能力をマイナーダウンさせ、騎甲兵の宝玉でも動けるようにした量産タイプを製造。

この3機の量産タイプが帝国の新たな戦力になりつつある。

国同士の争いは今のところ起こっていないが、新たな騎甲機の誕生は、カトラスに不穏な空気をもたらしている。