VDシリーズ
統合戦争時やゼントラーディー戦で陸戦兵器として活用したデストロイド。
しかしゼントラーディー戦終了後、可変戦闘機であるVFシリーズの発展と、VFシリーズを中心とした運用体制の中で、機動力を欠くデストロイドは相対的に目立たない存在となり、しだいに活躍の場を失なっていくことになった。
ただ、その火力と地上戦での戦闘力の高さから、スーパーディフェンダーやシャイアンUのように旧型機を再設計した機体が各地で運用されていたし、VFシリーズにデストロイドのコンセプトを融合させたVB‐6ケーニッヒモンスターなども開発され、デストロイドは完全に活躍の場を失っていたワケではなかった。
とくに移民した惑星に凶暴な大型生物が存在していたり、その惑星で大規模なテロがあった場合には、陸戦に高い能力をもっている旧式や改良機のデストロイドが使われるケースが多くあった。
そうしたことから、一部の惑星で機動力をもつデストロイドの開発が要望されていた。
こうした声に新統合軍も新型のデストロイドの開発を、かつて統合戦争時代にデストロイドを開発したセンチネンタル社に依頼、センチネンタル社は同じデストロイドの開発メーカーであったビガース社とクラウラー社や、VF‐17らの開発メーカーであるゼネラル・ギャラクシー社らに技術協力を頼み、それぞれのデストロイドの技術とゼネラル・ギャラクシー社のVFシリーズの技術と融合させた新たなデストロイドの開発をスタートさせる。
そしてロボット(バトロイド)形態から、浮上式機動戦車(パンツァー)形態に可変することよって、デストロイドの欠点であった機動力の悪さを解決させた新たなデストロイドであるVD(Variable
Destroid)の基本構想が立案され、その基本構想を基にVD‐01、VD‐02、VD‐03の3機の新型デストロイドが完成する。
完成した3機はすぐに実戦に投入され、各地で高い成果を得たことで軍の正式採用機として認められ、主に惑星移民が終了した部隊に配備されることになり、デストロイドはVDとして新たな時代をむかえることになる。
形式番号の表記は、通常は任務記号(VD)/-/設計番号(01など)/ペットネーム(ケルベロスなど)の順となっている。
機体ごとに様々なバリエーションのあるVFシリーズと違い、VDシリーズは用途別に機体が作られているため、機体ごとに複数のバリエーションは存在しない。
そのため、VDシリーズの生産・配備が開始された当初は、VFシリーズのようなシリーズ記号(A型やS型など)は使っていなかった。
しかし、VD‐06Cのように修理用のパーツが不足していることで他のVDのパーツで改修した機体や、機体を専用化したカスタム機などが誕生したため、改修機やカスタム機をC型と表記をするようになった。
また、VD‐01 VD‐02 VD‐03が2062年から、VD‐07とVD‐09が2067年から後期生産型への移行が開始されたため、それ以後は前期生産型をA型、後期生産型をB型と表記するようになった。
A型 前期生産型
B型 後期生産型
C型 改修・カスタム機
VD‐11に関しては、使用するミッションパックごとにシリーズ記号がつけられている。
VFシリーズがバルキリーという総称で呼ばれているように、VDシリーズもデストロイドという総称で呼ばれている。
(第2世代VD)
第1世代VDをやや小型化し、武器内蔵型の腕からマニピュレーター型の腕にすることによって汎用性を高めたVD。
内蔵火力や装甲面では第1世代VDに劣るが、腕が武器内蔵型からマニュピレーター型になったことで、ガンポッドやマシンガンポッド・レーザーキャノンなど任務に合わせて装備を変更することが可能となり、VDの活躍の場がさらに広がった。
第2世代VDの最初の機体であったVD‐06は機体性能が求められていた数値に届かなかったためわずかしか生産されなかったが、続くVD‐07は次期主力機として認められ、同時期に開発されたVD‐09も特殊任務機として各部隊に配備されている。
第2世代VDが実戦配備されるようになってからも、第1世代VDの生産・配備は続けられている。
惑星ネメシスの軍工場でYZ-]と呼ばれる、設計途中で開発が断念されたVD‐05を第2世代VDの技術で再設計した機体が開発・テスト中であったが、タランチュラ事件で開発中の機体が強奪され、破壊されたことで開発が中止されている。
VD‐01 ケルベロス
デストロイド・トマホークをベースにしたVD。
砲撃による攻撃を主体にしていて、VDシリーズの中ではもっとも配備数が多い主力VD
両腕は荷電粒子ビーム砲、胸部にはバルカンポッドとナパーム弾ランチャーを搭載、背部にはミサイルポッドと大型ロケットランチャーを搭載している。
VD‐01Bは腕部の荷電粒子ビーム砲と背部のミサイルポッドと大型ロケットランチャーが強化され、多弾頭ミサイルポッドを搭載している。
VD‐01A
VD‐01B
VD‐02 キマイラ
デストロイド・ディフェンダーをベースにしたVD。
対空攻撃能力の高さからVF部隊のサポートに活躍する。
両腕は対空チェーンガン、胸部に小型レーザー砲を搭載、両肩に迎撃ミサイルポットを背部には垂直ミサイルポッドを搭載している。
VD‐02Bは対空チェーンガンが改良された他、背部の垂直ポッドも強化され、両肩が対空レーザー砲にかわっている。
VD‐02A
VD‐02B
VD‐03 スキュラ
デストロイド・ファランクスをベースにしたVD。
ミサイル攻撃を主体にした機体で、拠点防衛任務を得意としている。
両腕はマイクロミサイルポッド、両肩に地上魚雷ミサイルポッドを搭載、背部には特殊ミサイルランチャーを搭載している。
VD‐03Bは両腕のマイクロミサイルポッドが大幅に強化され、背部が多弾頭ミサイルポットと特殊ミサイルポッドに変更されている。
VD‐03A
VD‐03B
VD‐04
パンツァー形態の設計図のみ残されているが、詳細不明
VD‐05 ベヒモス
デストロイド・モンスターをベースにしたVD。
VBー6のデータを参考にしつつ開発がすすめられていたが、VDに求められる機動性が得られなかったことや、開発コストの高さなどの様々な問題が多発したため、設計段階で開発が断念される。
VD‐06 ロキ
デストロイド・シャイアンUをベースにしたVD。
第2世代VDとして開発されたが、期待した性能が得られなかったため生産は中止され、中止されるまでに生産された機体が一部の部隊に配備されたのみである。
腕部にロケットランチャーを搭載、背部には2連ガトリング砲を搭載している。
VD-06用の装備としてに開発されたガトリングライフル、レーザーライフル、ショットガンらの兵器はVD-07やVD-09らに流用されている。
現在、各部隊に配備されている機体のほとんどがVD-06Cである。
VD‐06A VD‐06C
VD‐07 フェンリル
砲撃を主体とした第2世代VD。
VD‐01の荷電粒子ビーム砲をさらに強化した砲門を搭載していて、パンツァー形態での機動性・戦闘力も高い次期主力VD。
腕部にグレネードランチャーを搭載、両肩には小型レーザー砲、背部には荷電粒子ビームキャノンを搭載している。
VD‐07Bは腕部のグレネードランチャーが強化されている。
また、背部の荷電粒子ビームキャノンがコンパクトになったため、機動性が上がっている。
VD‐07Cは電子戦用にカスタムされた機体。
VD‐07A
VD‐07B
VD‐07C
VD‐08 ヘル
VD‐07やVD‐09と同時に開発された機体のようだが詳細不明。
VD‐09 ヨルムンガント
ミサイル攻撃を主体とした第2世代VD。
ミサイル搭載数はVD‐03に劣るが、新型反応弾を搭載可能である。
また、VDシリーズで唯一ステルス能力を搭載している。
腕部にマイクロミサイルランチャーを搭載、両肩にミサイルポッド、背部には3連ミサイルポッドと反応弾ミサイルポッドを搭載している。
VD‐08Bは腕部が中型ミサイルランチャーに変更、両肩のミサイルポッドが強化された他、反応弾ミサイルポッドが大型化されている。
VD‐09A
VD‐09B
VD‐10 バハムート
設計段階で開発が断念されたVD‐05を第2世代VDの技術で再設計した機体。
試作機として開発されたYZ-] 2機が2060年に起きたタランチュラ事件で破壊され、その事件の際、設計・開発を行なっていた施設ごと機体のデータも失われてしまったため、開発が中止される。
VD‐11 スプリガン
2065年にロールアウトした、多彩な任務を同一の機体でこなせるマルチロールVD。
運用目的ごとにフォーマット化されたミッションパック(Mission Pack)を装備することで、主力攻撃から後方支援、遊撃戦闘、強襲などの様々な任務に対応できる。
ミッションパックの変更することで火力の調整が容易なため、これまでのVDでは火力が強力すぎて艦内を破壊する危険性があった長距離移民船団の艦内防衛部隊に優先的に配備されている。
使用するミッションパックごとにシリーズ記号がつけられている。
VD-11A ミッションパック未装備機 VD-11F 拠点防衛仕様機
VD-11M 重火力攻撃仕様機 VD-11S 近接・格闘戦仕様機
VD-11E 電子戦仕様機 VD-11T 砲撃戦仕様機
VD‐11A
試作機
YZ-α/β/γ
デストロイドの欠点であった機動力の悪さを解決させたVD(Variable Destroid)の基本構想として設計された機体。
この3機を基にVD‐01、VD‐02、VD‐03が開発された。
YZ-α
YZ-β YZ-γ
YZ-]
設計段階で開発が断念されたVD‐05を第2世代VDの技術で再設計した機体。
2機が試作されることになっていたが、タランチュラ事件で2機とも開発中の段階で強奪される。