今日のみ言葉     (2025年10月26日)    


 小学生に教えられた今夏の猛暑に思うこと


 猛暑の夏も過ぎ、朝晩は肌寒く感じるようになりました。すっかり秋の様相を感じるこの頃です。この夏はいかがお過ごしだったでしょうか。

 この夏は経験したことのない暑さを体験しました。全国で40度超えの気温が続出。観測史上最高気温が連日のように更新されました。8月5日、群馬県伊勢崎市で41.8度と国内最高気温を記録しました。線状降水帯、ゲリラ豪雨、大雨警報などのニュースも頻繁(ひんぱん)に気象報道で聞かれるようになりました。猛暑と豪雨が原因で起きる「新災害」にも注目される時代になりました。海水温の上昇も漁場の変化に影響が出ているそうです。

 そんなニュースを耳にしている時、神奈川県の小学生の女の子の新聞投稿記事が目に留まりました。

 表題は「環境問題 急いで取り組まないと」とあります。「私は、参議院選挙で環境問題のことがあまり話題になっていないことが心配です。なぜかと言うと、この問題は急いで取り組まないと、取り返しのつかないことになってしまうからです。…最近、ガソリン税についてよく議論されますが、それをはいししたときの環境負荷についていう人があまりいません。…私はまだ選挙権がありませんが、環境問題を解決しようと思って行動する政治家や有権者が増えてくれたらいいなと思っています」と。


 気候変動対策や脱炭素化社会の問題は喫緊の課題なのに、小学生の子に教えられ、冷房のよく聞いた部屋で過ごすことが多かった自分を反省させられました。確かに地球温暖化で南太平洋のサンゴ礁の美しい島嶼(とうしょ)国家は国ごと水没してしまうかもしれません。かつてツバルという国が水没するというニュースが話題になったことを思い出しました。ツバルでは今年、包括的な安保協定を結ぶオーストラリアへの移住希望者を募ったところ約1万1千人の人口の8割以上が移住を希望したそうです。平均標高が2bほどしかないキリバスの島々も、海面上昇の影響で「気候変動で最初に沈む国」の一つといわれています。先進国による気候変動のツケを払わされているのではないかとの声を聴き、国際司法裁判所が2025年7月23日、国際法上、国家には気候変動対策をとる義務があるとする、極めて画期的な勧告を公表しました。アメリカのある研究機関は「気候変動は『将来の脅威』ではなく、すでに現実の問題となっている。『危険な高温』は健康リスクを高めていて、温暖化対策が遅れれば人々の暮らしや経済にも影響を及ぼす」としています。この豊かな自然環境は全人類が代々受け継いでゆく財産であり、全人類がその保全の責任を負っています。


 共に暮らすこの地球について、聖書の創世記の初めに次のようなメッセージを見出します。

 「初めに神は天地を想像された。…神はご自分にかたどって人を創造された…神は彼らを祝福して言われた。『産めよ、増えよ、地に満ちて地を從わせよ』…神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった」(創世記1章)

美しく創造され、人類に委ねられた自然界が破壊され、被造界がゆがめられているという現状。経済発展による恩恵を享受する一方で、自然界の破壊に加担している私たちの生活のあり方を、見直す必要が求められているように思います。小学生に感謝の夏でした。